
なぜ欠陥住宅になってしまうのか?
日本の木造住宅平均寿命はおよそ30年弱と言われています。世の中に数ある素晴らしい工法や、日々の技術向上など目覚ましく進歩している業界にも関わらず・・・なぜこれほどまでに短命であり、日々欠陥住宅や耐震偽装などのニュースが無くならないのでしょうか?
現場監督の仕事とは?
皆さんは現場監督と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?図面を確認して材料を注文したり、納入された材料の検品をおこなったり。また現場作業の進捗状況を確認して現場工程の調整や、品質検査を実施してダメ工事を見逃さない・・・昔でいう棟梁的なイメージでしょうか?
しかし残念ながらこれらの業務をこなせるスーパー監督(本来は普通なのですが・・)は、あまり存在しないでしょう。そもそも現場監督って何をする人なのか、各会社によって大きく位置づけが変わってきていると思います。
間違ったコストカット
現在の建設業界・住宅産業業界は不況のあおりを受け、数年前から危機的状況に陥っています。これはそもそも業界自体の悪しき風習(ここでは話しが長くなるので割愛しますが・・・)が原因だと思うのですが、各社様々な方法で乗り切ろうと血のにじむような企業努力をしています。しかしながらその企業努力が悪い方向に向かっているケースが非常に多いように思います。
それは間違ったコストカットです。本来不必要なはずのコストを実は昔からお客様に見えないように負担してもらっていた業界なのですが(恥ずかしい限りです)、その不必要なコスト削減をせず安易に人件費などで簡単にコストカットを実現しようと考える人が多数います。その結果前述の工事監督の仕事に重大な悪影響を及ぼしてしまうのです。
欠陥住宅はなくならない?
実は耐震偽装・欠陥住宅などは昔からあったと思います。本当に眼をつぶりたくなるような信じられない事件が、近年明るみに出てきています。消費者の目をかいくぐり“自分だけいい思いをしよう”とか“自分だけ助かりたい”という人が目立ち始めてきています。これは非常に由々しき問題です。
そこで国は法律(ルール)を厳しくして対応するより改善策は無いと考えます。しかしながら、あくまで個人的な意見ですが性悪説の考え方が多い業界ですのでルールをいくら厳しくしても根本改善(思考改革や業務システムの改革)を断行しない限り欠陥工事などはなくならないと思います。
建築業界には様々な決まりごとがあります。建築基準法を始め建築士法や住宅の品質確保の促進等に関する法律、工事の基準が決められている建築工事標準仕様書(JASS)などなど。また平成21年には新しく住宅瑕疵担保履行法が施行されます。このような新しい法律への対応や本来決められている法律を順守するために、現場監督には事務処理が増えていきます。
法律が厳しく世間の目が厳しくなると、慌てて会社や企業はこれまで怠っていた記録保全や帳票整理にやっきになります。そこで現場監督には次のような指示が会社から出ます。安全計画を作成し安全帳票を作成する事!(実際現場での安全は確認できていないのに・・・)。品質管理帳票をまとめて記録保全をする事!(本当は十分な検査が現場で出来ていないのに・・・)。それに加えて、これらを行いながらもっと業務効率を向上させて利益を確保しろ!と。
ですが・・・現場は進んでいるのです。毎日同じように作業が進められ、工事完成が日に日に近づいているのです。しかしながら悪しきコストカットの為、人員増員も出来ずにこれまで怠ってきた事務処理をこなすのに精いっぱいで現場がどうなっているのか?確認も出来ない。そんな工事監督で本当に良いものが出来上がるのでしょうか?欠陥住宅ではないと自信をもって言えるのでしょうか?まさに事件は会議室で起きてるのではなくて、現場で起きているのです。
他にも欠陥住宅になってしまう原因は多数あります。設計士の問題や職人の問題、そもそもの昔からの住宅産業業界自体の問題など・・・皆様にお目にかかれる日がくれば、そのあたりの話も是非させて頂きたいと思います。
私は啓蒙活動を地道に行いながら、日本の住宅産業から欠陥住宅や偽装工事などが無くなるように切に願っています。
